クリソベリルのアンティークリング

Vol2.見つけるとラッキーなアンティークジュエリー

 一口にアンティークジュエリーと言っても色んな種類のものがあります。本日は、その中でも希少性ゆえに見つけるとラッキーなジュエリーについてご紹介したいと思います。

<プラチノン>

 アールデコの時代(1920年頃)にプラチナの代わりとして作られたベースメタル。この時代、プラチナは今以上に高価な品だったため、その代替品として試行錯誤の末に作られたものです。現代では製造されておらず、ごくわずかな期間にだけ製造されたものなので、かなりレアな品です。プラチナ同様、色味はシルバーベース、丈夫で錆びず普段使いのジュエリーにうってつけだと思います。プラチノンのジュエリー自体なかなか見かけませんが、その中ではクリアなペーストガラスと組み合わせたネックレスやブレスレットを見かけることが多いです。プラチノンか否かの判断は、刻印で見極めます。大抵はネックレスやブレスレットの留め具にPLATINONの刻印があります。コレクターがいるので、市場に出回るとすぐにSold outとなることが多いです。

 

<サフィレット>

 日本でも大人気のサフィレット。1900年代初頭まで短い期間チェコで製造されていた変色ガラスの一種。見る角度によってブルー、ピンク、ブラウンと様々な表情を見せる不思議なガラスで、その美しさは多くの人々を魅了しています。コレクターも多く、日本でもサフィレット専門のお店があるほどです。現在では製造されていないガラスなので、その希少性がより人気を高めています。人気ゆえにじわじわと価値が上がってきており、ひとつ持っていて損はないアンティークです。

 <ムーンストーン>

 柔らかい月明りのようなブルーの光が見えるムーンストーン。かつて1900年代前半にジュエリーに用いられたスリランカ産ブルームーンストーンは、現代では取りつくされてしまい、鉱山自体が閉山してしまったようです。現在日本で、通称“ブルームーンストーン”として流通している宝石は、同じ長石グループのアンデシンラブラドライトやペリステライトがほとんどです。その為、本来のブルームーンストーンを探す際はアンティーク品を探すのが近道となっています。イギリスやフランスのアンティーク市場ではまだ見かけることがそれなりにあるので、ゲットするには今がチャンスのジュエリーではないかなと思います。

<クリソベリル>

 イギリスやフランスのアンティーク市場でなかなか見かけないクリソベリルのジュエリー。エドワーディアンやヴィクトリアンの時代に流行しましたが、数はとても少ないそうです。中でもシャトヤンシー効果のあるクリソベリルキャッツアイのアンティークジュエリーは高値で取引されることが多く、見かけたら大変ラッキーです。

 <番外編:アイリスガラス(ウォーターメロンカラー)>

 アイリスガラスとは、1900年代にチェコやドイツで製造されたガラスパーツの一種。美しい虹色のガラスで、日本でも大変人気です。私が一度だけ見たことがあるのは、濃いグリーンとピンクのウォーターメロントルマリンのようなカラーのアイリスガラスのリング。アイリスガラスのジュエリーは比較的お求めやすい価格で様々なお店で入手できますが、通常のものと比べるとかなり高額で取引されていました。円安の影響もあり仕入れできなかったのですが、一度見たあの濃厚なカラーは忘れられません。

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