“アンティークリング”と聞くとどのようなイメージをもたれますか?「何だか敷居が高そう」「昔風の豪華なデザイン」「宝石が大きくて貴族が身に着けているようなリング」というような“日常”とはかけ離れたイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。たしかにかつての上流階級が身に着けているようなゴージャスなデザインのものもありますが、一方で普段使いしやすい落ち着いたデザインのものも意外とあるのです。今回は、日常に取り入れやすいアンティークリング&ヴィンテージリングをご紹介したいと思います。
<ジプシーリング>
宝石が中に埋め込まれており、いわゆる“ひっかかりのない”デザインのリング。19世紀に生まれたリングのデザインで、上流階級から一般階級まで幅広い人々に親しまれてきたデザインです。宝石とゴールドが一体化したようなシンプルなデザインに、星型など様々な彫りが施されており、飽きの来ないデザインをしています。小さな宝石が埋め込まれていることが多く、また、ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどモース硬度の高い石がセットされていることが多いので、この点においても普段使い理由となっています。特に18Kゴールドのジプシーリングは錆びにくく、9ctゴールドや10Kゴールドと比べてつけっぱなしにしても経年変化しにくいため、日常に取り入れるアンティークリングとして大変おすすめです。
<バンドリング/エタニティリング>
ベルトのような形状のリングで、平打ちリングとも呼ばれています。人気のエタニティリングもバンドリングの一種として含まれます。ジプシーリング同様、ひっかかりのないデザインでその点が普段使いしやすいリングとして大変人気です。エタニティリングの歴史は古く、15世紀に誕生したと言われています。市場では、アンティークよりもヴィンテージ(20世紀半ば~後半)のエタニティリングをよく見かけます。リング全体に宝石が飾られているエタニティも大変素敵ですが、後々のことを考えると半周分宝石がついているハーフエタニティリングの方がおすすめかもしれません。なぜなら指輪のサイズは結構変わるのです。かくいうと筆者も、産後に指輪のサイズが+2号あがりました。また、エタニティリングというと、丸い形の宝石を並べたデザインのリングを思い浮かべると思います。日本のジュエリーブランドでもよく見かけるデザインですね。一方で、個人的におすすめのデザインは、スクエアカットの宝石を隙間なく並べたカリブレカットセッティングのハーフエタニティリングです。隙間なく並べられていることにより、大好きなカラーや宝石を指に纏っているようで身に着けるととてもしっくりくるデザインです。また、すっきりしていてシンプルなので飽きにくいデザインでもあります。ヴィンテージ市場では、9ctゴールドや18ctゴールドに限らず、プラチナのリングも見かけます。宝石の数も多く、地金も厚みがあるものが多いため比較的高額になりやすいですが、毎日つけられることを考えるとお得かもしれません。
<地金リング>
宝石がなく、ゴールドやプラチナなど金属だけでデザインされたリング。アンティークリングですと、ノットリングや”Mizpah”など文字が彫られたリング、紋章や絵が彫られたシグネットリングなどがあります。珍しいものですと、星座の記号が彫られたリングも以前市場で見かけたことがあります。宝石が無い分、ぶつけて欠けさせてしまう心配がない点が気軽に見に着けられるリングだと思います。特に、結び目をデザインしたノットリングは落ち着いた素敵なデザインのものが多く、さりげなくアンティークを身に着けたい方におすすめのリングです。