「そもそもアンティークジュエリーって何?」「普通のジュエリーと違ってどんな魅力があるの?」先日、知人から質問を頂きました。こちらの記事では“アンティークジュエリー”について書きたいと思います。
アンティークジュエリーとは、一般的に100年以上前に作られたジュエリーを指します。国宝級の美術品から、個人間で受け継がれてきた装飾品まで、100年以上前に作られたジュエリーのすべてが当てはまります。最もポピュラーなのはイギリスのアンティークジュエリーで、作られた時代に合わせて、ジョージアンジュエリー、ヴィクトリアンジュエリー、エドワーディアンジュエリー、アールデコジュエリー、とそれぞれの名前で呼ばれたりもします。各時代の特徴や魅力について語りだすと長くなってしまうので、この記事ではアンティークジュエリー全般の魅力について書きたいと思います。個人的見解が多分に含まれていますので、あくまで一個人の意見として参考程度に読んでいただけますと幸いです。
アンティークジュエリーの魅力は、大きく分けて3つです。希少性、物語性、冒険性。この3つに大別されると思います。
まずは“希少性”。100年や200年も前に作られたものですので、アンティークジュエリーひとつひとつに、その時代特有の技術であったり、限られた期間に採掘された天然石や、今はもう製造されていないガラスなどが施されていたりします。例えば、限られた年代にしか製造されなかったサフィレットガラスのブローチや、閉山してしまったスリランカ産ブルームーンストーンのリングなどはアンティークならではの魅力と言えるかもしれません。そういった希少性の高いコレクタブルなジュエリーは、コレクションしたくなるもので、人気が上がると価値もあがり、長い時を経て資産性につながったりもします。こうした点もアンティークジュエリーの魅力の一つであると思います。
2つ目は“物語性”。長い時を経て今まで存在してきたジュエリーには、そのひとつひとつに時代背景や、個人的歴史や思いがこめられているものです。例えばジョージアンジュエリーは、金が貴重な時代でしたので、少ない金で美しく作る素晴らしい彫金技術が際立つ作品が多かったりします。また、リングに彫られた年号とメッセージから、婚約指輪であったことが伺えたりもします。指輪一つとっても、その時作られた時代背景や、個人の思いや歴史を読み解くことができるのです。歴史に思いを馳せることができるアンティークジュエリー。当時の技術やデザインから物語を読み解くことができる、歴史的ロマンを感じるジュエリーです。
最後は“冒険性”。アンティークジュエリーは家族間で代々受け継がれることもありますが、多くの場合は蚤の市や、小さな店頭やウェブショップ、オークションなどで購入することが多いと思います。雑多な環境から自分だけの宝物を掘り当てるわくわく感。新品のジュエリーとは少し異なる“冒険性”を感じませんか?フラッと立ち寄った小さなショップで見つけたネックレスが、実はすごい職人が作ったジュエリーだったかもしれない。何となく気になって購入したきれいなリングに、実はもう新たに手に入れることができないレアストーンがついていた。そんな“冒険性”があるのです。
以上、アンティークジュエリーの3つの魅力について書かせて頂きました。ひとつでも心の琴線に触れる魅力がありましたら、まずは小さなアンティークジュエリーショップをちょっとだけ覗いてみてもいいかもしれません。