Vol.3 アンティークジュエリーは資産になる?

Vol.3 アンティークジュエリーは資産になる?

 結論から言うと、ものによっては“時間をかけて資産になる”と私は考えています。可能性のあるアンティークジュエリーは大きくわけて3つあります。

(1)今後採掘できない天然石

 取りつくしてしまい鉱山が閉山してしまったもの、数が少ないレアなものは、当然価値が上がると思います。例えば、アレキサンドライトやパライバトルマリン、パパラチアサファイアなどはすでに価値が上がっていますよね。ベニトアイトも希少石として人気です。今後個人的に可能性を感じる天然石は、ブルームーンストーン、タンザナイトでしょうか。どちらも鉱山がすでに閉山していますし、マニアック過ぎない人気の宝石です。グランディディエライトなども貴重で、漫画で取り上げられたこともあり日本では人気の兆しがありますが、世界的には数が少なすぎてファンが少ない気がしています。一度市場で見かけましたが、海外では知っている人が少ないのか大人気な様子ではありませんでした。ただしあくまで予測ですし、これからの人気度やそれまで取りつくした流通量にも寄りますので、価値がどうなるかは長い目で見ていく必要がありそうです。

(2)今後製造できないモノ

 ある期間にだけ製造されて、現代では製造方法がわからなくなってしまったものは必ずコレクターがいて、“新しく手に入ることはない”という貴重さからじわじわと値段が上がっていく傾向にあります。アンティークジュエリー市場ですと、具体的にはサフィレットやプラチノンがそれにあたります。サフィレットは、1900年代初頭までチェコで作られた変色ガラスの一種で、現代では製法がわからなくなってしまったものです。今のところパーツ単位では比較的安価に入手可能ですが、ジュエリーになると高価で取引されており、なかなか入手が難しくなってきています。プラチノンは、1920年頃のごくわずかな期間に製造された合金で、こちらも現代では製造されていません。市場に出回る数が少ないため今後値が上がる可能性のあるアイテムです。

(3)ゴールド

 ご存じの通り、ゴールドの価値は上がり続けています。2024年5月末現在、5年前と比べてグラム当たりの価格は2倍以上になりました。

(参考:田中貴金属工業https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/m-gold.php

 さらに、貨幣つまり円の価値も下がり続けています。このあとゴールドの価格が下がる要素はしばらくなさそうですし、18K22Kなど金の含有量が多いジュエリーは持っていて損はない資産だと思います。昔から、質屋や貴金属買取店にジュエリーを持っていくとまずはゴールドの含有量を見られますし、今も昔も資産として価値のあるものと言えます。

 以上3つの“資産になる可能性のあるアンティークジュエリー”についてお話しました。ジュエリーを資産として保有したいと考えている方は、株価や不動産、通貨と同じように「今後どうなるか?」を予想することが肝になりそうですね。

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